オオヤマザクラ(大山桜、学名:Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)はバラ科サクラ属の落葉高木のサクラ。日本に自生する10もしくは11種(species)あるサクラ属の基本野生種の一つ。名前の由来はヤマザクラに比べ花が大きいことによる。花色の特徴からベニヤマザクラ(紅山桜)、北海道に多く生育していることからエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)の別名がある。アイヌ語名は「カリンパニ」。英語圏での呼び名の「Sargent's cherry」と学名の由来はアメリカの植物学者チャールズ・スプレイグ・サージェントに因む。なお関東以北では販売用の「山桜」表記の苗木には、ヤマザクラではなく本種が使われていることがある。
分布域からもわかる通り比較的寒さに強い。樹高は20mを超える高木、樹形は広卵状。一重咲きで直径3-4.5cmの中輪から大輪の花を咲かせ、花弁の色はヤマザクラやソメイヨシノに比べて比較的濃い紅色。東京の花期は4月中旬。花序は散型上で花柄がほとんどなく、芽の鱗片が著しく粘る。葉が花と同時に展開する。葉は長めの卵型、縁は鋸状、大きさは8cmから15cm程度、成木では裏面が白色を帯び互生している。若いものは赤い色をしているが夏には暗い緑色に変化する。秋になると葉は紅葉し、赤、黄色、橙色と様々に色を変える。葉には毛が少ないかなく成木で裏面に白色を帯びることでカスミザクラと区別できる。夏になると黒紫色の実をならす。実は小さなえんどう豆程度の大きさだがなりやすい。鳥が良く食するが、人間にとっ ...