ヘクソカズラ(屁糞葛、学名: Paederia scandens)は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓(つる)性多年草で、やぶや道端など至る所に生える雑草。夏に中心部が赤紅色の白い小花を咲かせる。葉や茎など全草を傷つけると、悪臭を放つことから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。別名で、ヤイトバナ、サオトメバナともよばれる。
和名ヘクソカズラの由来は、葉などをつぶすと、強い悪臭を放つことから「屁糞かずら」の意味で名付けられたもので、元々は「屁臭(へくさ)」だったものが転訛したともいわれている。カズラ(葛・蔓)は、つるで伸びる植物につけられる語である。日本最古の和歌集である『万葉集』の中にも「屎葛(くそかずら)」の名で詠まれている。
地方により、サオトメバナ(早乙女花)、サオトメカズラ(早乙女蔓)ともよばれ、かわいらしい花を咲かせる様子や、花を水に浮かべた姿が田植えをする娘(早乙女)のかぶる笠に似ていることにちなみ名付けられたものである。またヤイトバナ(やいと花・灸花)という別名があり、「やいと」とは灸のことを指し、花を伏せて置いた姿が灸に見えることや、花の中が赤い様子が灸を据えた跡に見えることに由来する。このほか、ウマクワズ(馬くわず)という別名もある。 ...