チランジア・イオナンタ Tillandsia ionantha はハナアナナス属の植物の1つ。いわゆるエアープランツとして栽培されるもので、側芽を生じて集団を作る。
常緑の多年生草本で、茎はなく、側芽を多数出して集団になる。葉は30-40枚と数多く、狭三角形で鋭尖頭、つまり幅の狭い三角の葉の先端が細長く伸びる。葉の長さは6cm、幅は5mmで、外側は鮮やかな赤に染まり、内側、つまり表面は緑で、粗い銀白色の鱗片が密生している。葉鞘は楕円形で長さが3cmになり、寄り合って全体としては卵形の偽鱗茎になる。
花は穂状花序に3-4個つくが、花茎はとても短くて花は葉の間から出る。花には柄が無く、一次苞は被針形から卵形で先端が尖り、真っ赤に染まる。先端に鱗片があって萼とほぼ同じ長さになる。花苞は一次苞とよく似ているが萼より短く、やはり赤い。花は直立して出る。萼片は互いに離れており、長さは16mm、被針形で先端が尖る。花弁は舌状の形で先端が外向けに反り、長さ4cmで菫色をしている。雄しべは花弁から突き出す。蒴果は円柱形で長さ3cmになる。
メキシコからニカラグアの標高1300mにかけて分布する。
亜属としてはティランジア亜属 ...