オオアワガエリ(Timothy、Phleum pratense)はヨーロッパ原産のイネ科の多年草。チモシー・グラス、あるいは単にチモシーとも呼ばれる。
やわらかな多年草。ごく短い地下茎があり、多数の茎を束状に出す。草丈は50-100cmで、基部はやや斜めに出る。葉身は線形で長さ20-50cm、幅は3-9mm、扁平で緑から灰緑色、ざらつくが毛はない。花序は茎の先端に生じて、棒状に直立し、長さ6-15cmで幅は7-9mm、その表面には多数の小穂が密生する。
小穂にはごく短い柄がある。小穂は先が広がった三角形で扁平、両端から短い芒が出る。これは同型の第1,第2包穎にあたり、芒の出る背面の中肋は緑でそれ以外は膜質で色が薄い。その内部には小花を一つだけ含む。
カモガヤなどの他のイネ科植物と共に、花粉症の原因となる。
日本全土に見られる。ユーラシアの原産で、牧草として世界で広く利用される。
同属でより小型のアワガエリ P. paniculatum は本州から九州にかつては普通に見られた。またミヤマアワガエリ P. alpinum は本州中部以北の高山帯に生える。
別属だが同じように棒状の花序を直立させるものにスズメノテッポウやヌメリグサがある。これらは小穂の構造がはっきり異なる。 ...