マツムラソウ(松村草、学名:Titanotrichum oldhamii )はイワタバコ科マツムラソウ属の常緑の多年草。1属1種からなる。
従来の新エングラー体系ではイワタバコ科はシソ目に、クロンキスト体系ではゴマノハグサ目に含められていた。新しいAPG植物分類体系ではシソ目に含める。
茎は直立し、高さは15-70cmになる。葉は対生し、葉身は長さ5-20cm、幅2-8cmになるゆがんだ卵形または長楕円形で、長さ0.5-5cmになる葉柄があり、先端はとがり、縁に不規則な低い鋸歯がある。葉は、下部のものは小さく、中部で大きく、上部のものは小さくなり、対生する葉は左右で大きさが著しく異なる。植物体全体に白色の剛毛がある。
花期は7-10月。茎先に長さ10-50cmになる総状花序をつけ、多数の黄色の花を一方向きにつける。また、花序の上部は不稔花となって穂状につき、葉腋からでる花序は無性芽状の小体が穂状につき、下垂させることがある。花の基部に苞があり、披針形で先は鋭くとがる。萼は緑色で、5深裂し、各裂片は長さ7-12mmになる披針形で、細く先が鋭くとがる。花冠は長さ3.5cm、幅1.2cmの筒型で、基部はややくびれて細まり、先は唇形で5裂し、外面に縦のすじが入り腺毛があり、花喉部に赤褐色の斑がある。雄蕊は4個あり、2個ずつ長さが異なる。雌蕊は軟毛が密生し、花柱は糸状で花冠より短い。果実は卵形の蒴果で、長さ6-8mm、幅5mmになり、毛が散生する。種子は ...