シュロ(棕櫚、棕梠、椶櫚)は、ヤシ目ヤシ科シュロ属 Trachycarpus の樹木の総称である。
5種以上が属する。シュロという名は、狭義には、そのうち1種のワシュロの別名とされることもある。逆に広義には、他の様々なヤシ科植物を意味することもある。
常緑高木。温暖で、排水良好な土地を好み、乾湿、陰陽の土地条件を選ばず、耐火性、耐潮性も併せ持つ強健な樹種である。生育は遅く、管理が少なく済むため、手間がかからない。
中華人民共和国湖北省からミャンマー北部まで分布する。日本では平安時代、中国大陸の亜熱帯地方から持ち込まれ、九州に定着した外来種である。日本に産するヤシ科の植物の中では最も耐寒性が強いため、東北地方まで栽培されていて、なかには北海道の石狩平野でも地熱などを利用せずに成木できるものもある。
地球温暖化で冬の寒さが厳しくなくなり、本州でも屋外で育ちやすくなっている。国立科学博物館附属自然教育園(東京都)では1965年に数本だったシュロが2010年に2585本へ増えた。
雌雄異株で、稀に雌雄同株も存在する。雌株は5 - 6月に葉の間から花枝を伸ばし、微細な粒状の黄色い花を密集して咲かせる。果実は11 ...