クマヤナギ(熊柳、Berchemia racemosa)はクロウメモドキ科のつる性落葉低木。別名、「クロガネカヅラ」ともよばれる。冬は葉を落とし、黒々とした幹やつるがクマを連想するところからクマヤナギの名が付くが、ヤナギとは別の種の植物である。
北海道南部以南から本州、四国、九州まで分布し、丘陵地、山地の雑木林の縁、川沿いの土手、湿地に多く生育する。地方によって、「クマフジ」「トンヅラ」「クマコヅル」などともよばれる。
つる性の植物で、巻き方向は右から左巻きに伸び、硬い枝を周囲の他の木の枝などに絡みつきながら勢いよく上に伸びて、ヤナギのようにかぶさって垂れさがる。茎は若いときは緑色をしており、生長して太くなると次第に黒っぽくなり、直径数cmほどにもなる。
葉は互生し、卵形から長楕円形で全縁、羽状の葉脈が目立ち、側脈は7 - 8対ほど平行する。葉身は5cm前後あり、表面は光沢があり、裏面は粉を吹いたように白みがある。若い枝につく葉は、大きく細長い形をしており、2年枝につく葉は、丸みを帯びる。葉柄は1cm前後で、薄く赤色を帯びる。秋になると黄葉し、落葉して冬を越す。若い葉は食用にもなる。
夏、7 ...