イナゴマメ(蝗豆、学名: Ceratonia siliqua)は、地中海地方原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木。
ギリシア語でイナゴマメの実をκεράτιων(kerátiōn:「動物の角」の意味のκέρας[keras]に由来、属名Ceratoniaもこれによる)といい、カラットcaratはこのギリシア語名による。イナゴマメという和名は英語でその種子を指すLocust beanの訳。
高さは10 m以上になる。地中海沿岸のような温暖な土地でよく育ち、乾燥に耐える。
葉は偶数羽状複葉で全体は長さ20 cmほど、互生する。
雌雄異花で、普通は雌雄異株。花は秋に咲き、赤いが花弁はなく、総状花序となって枝または幹に付く。果実は角張って細長い豆果で、動物の角あるいはイナゴを思わせる形をしている。熟すのに丸一年ほどかかる。
豆の莢、果肉、または種子が食用、飼料、食品原料などに利用される。特に莢と果肉がキャロブ(英語: carob;アラビア語: Kharūb、ヘブライ語: Charuvから)と呼ばれる。
莢の中には黒い果肉と種子がある。果肉は糖分を含んで甘く、そのまま、または乾して食用あるいは食品原料にする。種子は飼料にすることが多いが、コーヒーの代わりにもされる。特に多糖類からなるローカストビーンガム ...