フサザクラ科(ふさざくらか、Eupteleaceae)は双子葉植物の科。
フサザクラ属 (Euptelea) 1属からなる落葉高木で、日本(本州から九州)に自生するフサザクラ(房桜、Euptelea polyandra)と、中国南部からアッサムに自生するEuptelea pleiosperma の、2種(および両者の人工的雑種)からなる。
花は両性で、花被はなく、多数の雌蕊と雄蕊からなる。フサザクラは3-4月頃、葉が出る前に開花し、紅色の雄蕊のやくが房状に垂れ下がって美しい。雌蕊はゴルフのクラブ状で雄蕊より短い。果実は偏平で周囲が翼状になり、風で飛ぶ。
葉の形は先端のとがった円形で不揃いな鋸歯があり、葉柄は長く互生する。
稚樹の耐陰性が弱い陽樹であり、他の樹木と競合の少ない急傾斜地に適応した特徴を持つ。その一つとして、主幹が土砂の移動などによって倒れても根が残りやすく、根元に生えている多くの萌芽枝に栄養を振り替えることで、萌芽枝が次代の主幹となって成長する萌芽再生の能力がある。また、重力によって主幹が水平方向に寝てしまうと、垂直方向に生えていた枝が主幹のように太くなり、垂直方向への成長を維持する。主幹の交代が終わると、それまで主幹だった幹は枯れて腐り落ちる。 ...