ブナ(山毛欅、橅、椈、桕、橿、学名:Fagus crenata Blume)は、ブナ科ブナ属の落葉高木。落葉広葉樹で、温帯性落葉広葉樹林の主要構成種、日本の温帯林を代表する樹木。種小名の crenata は、「円鋸歯状の」を意味する。
中国語で「山毛欅」とは本種ではなく、中国ブナの一種を指す。「橅」は近年作られた和製漢字で、一般に(日本)ブナの意味に使われている。「椈」も中国ではブナの意味は全くなく、檜の意味ならあるが、日本ではブナの意味に使われることがある。別名が、シロブナ、ソバグリ。
白色できめが細かく、よく地衣類などが着いて、独特の模様のように見える。若い枝は褐色で光沢がある。葉は互生し楕円形(長さ4-9 cm、幅2-4 cm)で、薄くてやや固め、縁は波打っていて、鋸歯というよりは葉脈の所で少しくぼんでいる感じになる。秋には黄葉し、その後落葉する。冬芽は褐色の鱗片に包まれ、茎が伸びた後もそれがぶら下がっている。鱗片が取れても、数年は茎に痕が残る(芽鱗痕)。芽から展開した若葉には長い軟毛があり、後に無毛となる。
雌雄同株で、5月頃に葉の展開と同時に開花する。雄花は枝先からぶら下がった柄の先に6-15個付いて、全体としては房状になる。果実は総苞片に包まれて10月頃に成熟し、その殻斗が4裂して散布される。シイの実の表面を少しトゲトゲさせた感じである。殻斗に包まれた2個の果実(堅果)は、断面 ...