抗生物質(こうせいぶっしつ(正しくは こう・せいぶつしつ)、英語: antibiotics)とは、微生物が産生し、ほかの微生物の発育を阻害する物質と定義される。広義には、微生物が産生したものを化学修飾したり人工的に合成された抗菌薬、腫瘍細胞のようなほかの微生物以外の細胞の増殖や機能を阻害する物質を含めることもある。通俗的に抗ウイルス薬と混同されることもあるが誤りである。
アレクサンダー・フレミングが1928年にアオカビから見付けたペニシリンが世界初の抗生物質である。ペニシリンの発見から実用化までの間には10年もの歳月を要したものの、いったん実用化されたのちはストレプトマイシンなどの抗生物質を用いた抗菌薬が次々と開発され、人類の医療に革命をもたらした。ペニシリンの開発は20世紀でもっとも偉大な発見のひとつで「奇跡の薬」と呼ばれることがあるのも、このことによる。
1990年頃には、天然由来の抗生物質は5,000〜6,000種類があると言われ、約70種類(微量成分を含めると約100種類)が実用に使われている。この他にも半合成抗生物質も80種が利用されている。しかし乱用が指摘されており、抗生物質処方の50%以上は不適切であるとOECDは報告している。WHOやCDCはガイドラインを作成し、適切な利用を呼び掛けている。厚生労働省も2017年ガイドライン第1版を公開した。薬剤耐性菌を生む問題があり、感染症でもないのに使用することを戒めている。 ...
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