ヒ素(ヒそ、砒素、英: arsenic、羅: arsenicum)は、原子番号33の元素。元素記号は As。第15族元素(窒素族元素)の一つ。
最も安定で金属光沢があるため金属ヒ素とも呼ばれる「灰色ヒ素」、ニンニク臭があり透明なロウ状の柔らかい「黄色ヒ素」、黒リンと同じ構造を持つ「黒色ヒ素」の3つの同素体が存在する。灰色ヒ素は1気圧下において615 °Cで昇華する。
ファンデルワールス半径や電気陰性度等さまざまな点でリンに似た物理化学的性質を示し、それが生物への毒性の由来になっている。
中国では天然の三酸化二ヒ素が「砒霜」と呼ばれていた。
亜ヒ酸を含む砒石は、日本では古くから「銀の毒」、「石見銀山ねずみ捕り」などと呼ばれていた。
ヨーロッパでは「愚者の毒 fool's poison(英)」という異名があった。入手が容易である一方、体内に残留し容易に検出できることから狡猾な毒殺には用いられないためである。
遺産相続のための殺人に利用されることが多かったので、フランス語でpoudre de succession(相続の粉薬)という異名があった。
ヒ素の元素名(arsenic)は、黄色の顔料を意味するギリシャ語「arsenikon」に由来するといわれている。 ...
ウィキペディアでもっと読む