トルエン(英: toluene)は、芳香族炭化水素に属する有機化合物で、ベンゼンの水素原子の1つをメチル基で置換した構造を持つ。無色透明の液体で、水には極めて難溶だが、アルコール類、油類などには極めて可溶なので、溶媒として広く用いられる。
常温で揮発性があり、引火性を有する。消防法による危険物(危険物#第4類第1石油類)に指定されており、指定数量の20%以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。人体に対しては麻酔作用がある他、毒性が強く、日本では毒物劇物取締法により劇物に指定されている。管理濃度は、20ppmである。
トルエンの名は、南アメリカに分布する Myroxylon balsamum という木から得られたトルオール (toluol) とよばれる樹脂から初めて単離されたことに由来する。イェンス・ベルセリウスが命名した。
トルエンは通常の芳香族炭化水素と同様に芳香族求電子置換反応の基質となる。メチル基の存在により、ベンゼンの約25倍の反応性を持っている。
特徴的な臭気を持ち、無色。沸点は約111度、融点は約-95度であり、通常では液体である。水を1としたときの比重は0.87。
トルエンは穏やかなスルホン化によりp-トルエンスルホン酸を生成する。また酸化鉄(III)の存在下、塩素により塩素化反応を起こし、オルト・パラアイソマーのクロロトルエンを生 ...
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