シンナムアルデヒド (Cinnamaldehyde) はシナモンから得られる芳香族アルデヒドの一つ。シナモンの香りの原因物質である。淡黄色の粘性のある液体で、シナモンなどのニッケイ属樹木の樹皮から得られる。シナモン樹皮から得られた精油には、約50%のシンナムアルデヒドが含まれる。
シンナムアルデヒドはIUPAC命名法の許容慣用名であるが、系統名では (E)-3-フェニルプロペナールと表される。別名としてシンナミルアルデヒド、桂皮アルデヒドとも呼ばれる。
1834年にジャン=バティスト・デュマとウジェーヌ・メルキョル・ペリゴによって桂皮油から初めて単離された。1854年にはLuigi Chiozzaが化学合成に成功した。
幾何異性体として (Z) 体があるが、天然に産するのは (E) 体のみである。この分子はフェニル基に不飽和アルデヒドが結合したもの、すなわちアクロレインの誘導体と見なすことができる。紫外線領域の吸収スペクトル分析では、シンナムアルデヒドはπ-π*遷移による芳香環とアルケンの共役によって、可視光側にアクロレインには見られない吸収帯が現れることが分かっている。
シンナミルアルコールなどの類縁体からも合成できるが、類縁体でない化合物から合成する方法としては、ベンズアルデヒドとアセトアルデヒドのアルドール縮合がある。工業的には桂皮油を水蒸気蒸留することで得られている。+=? ...
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