ヨモギ属(よもぎぞく、蓬属、学名:Artemisia)とは、キク科の属の1つ。学名からアルテミシア属ともいう。
葉の白毛のあるものが多い。また、頭状花は小さいものを多数つける。花弁(実際には舌状花)の目立たない花なのは、風媒への適応である。また、多くの花が下向きに咲くのも、花粉をこぼしやすいように進化したと見られる。乾燥地、砂漠、高山などの荒れた地域に出現するものが多く含まれ、昆虫の少ない環境への適応として、風媒花へと進化したものと考えられる。種類が多く、区別が難しいものもある。一説には、比較的新しい時代に種分化したためとも言われる。
テルペノイドなどの薬用成分を有するものが多く、医薬品や香料などに用いられるものが多い。食用とされるものもある。他方、風媒花であり、多くの花粉を風に飛ばすため、花粉症の原因となることも知られている。
学名 Artemisia はペルシャの王妃アルテミス、あるいはギリシャ神話の月の女神アルテミス(元元は古代アジアの同名の女神、ローマ神話ではディアーナ、英語名ダイアナ)に由来する。英語でヨモギ類を指す「アルテミシア」 (Artemisia) とは、潔癖の処女神アルテミスからとられたものである。 ...