オタネニンジン(御種人蔘) は、ウコギ科の多年草。原産地は中国・遼東半島から朝鮮半島にかけての地域といわれ、 中国東北部やロシア沿海州にかけて自生する。
薬用または食用に用いられ、チョウセンニンジン(朝鮮人蔘)、コウライニンジン(高麗人蔘)、また単に人蔘とも呼ばれる。なお、野菜のニンジンはセリ科であり、本種の近類種ではなく全く別の種である。
草丈は50~60cm。茎は1本だけ直立し、茎頂に5出掌状複葉を輪生する。葉は楕円形又は卵形で鋸歯があり先端は尖る。
本種は元来「人蔘」と呼ばれ、中国、朝鮮半島、および日本では古くからよく知られた薬草だった。枝分かれした根の形が人の姿を思わせることが、その名称の由来といわれている。
「御種人蔘」の名は、八代将軍徳川吉宗が対馬藩に命じて朝鮮半島で種と苗を入手させ、試植と栽培・結実の後で各地の大名に種子を分け与えて栽培を奨励し、これを敬って「御種人参」とよぶようになったといわれる。これ以前の「人蔘」は朝鮮半島からの輸入に依存していた。
中国東北部では「棒槌」(bàngchuí、「木槌」「洗濯棒」の意)とも呼ばれる。