オニノヤガラ(鬼の矢柄、学名:Gastrodia elata )は、ラン科オニノヤガラ属の多年草。腐生植物。
腐生植物であり、光合成を行わず、葉緑素を持たない。地下の塊茎は長さ10cm前後の楕円形で、表面には多くの節がある。茎は直立し、帯黄褐色で、高さは40-100cmになり、円柱状の茎に膜質の鱗片葉をまばらにつける。
花期は6-7月で、黄褐色の花を茎の先端に20-50個総状につけ、下方から開花していく。花は3萼片(外花被片)が合着して壷状になり、中に2個の側花弁と卵状長楕円形の唇弁がある。
日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の樹林下、湿原に自生する。アジアでは中国と韓国、台湾に分布する。
木材腐朽菌であるナラタケ(複数種の総称。本州の11ヶ所より採取したオニノヤガラ塊茎から分離した11菌株のうち8株が Armillaria gallica、2株が A. nabsnona、1株が A. cepistipes であった。)と共生する。
半夏白朮天麻湯としてめまいや頭痛、メニエール病、リウマチなどに応用される。
アイヌの人々の間ではウニンテプとして根が主要な食料とされ、松浦武四郎は『石狩日誌』で「アイヌのサツマイモ」として紹介している。 ...