オナモミ(葈耳、巻耳、学名:Xanthium strumarium)は、キク科オナモミ属の一年草。果実に多数の棘(とげ)があるのでよく知られている。また同属のオオオナモミやイガオナモミなども果実が同じような形をしており、一般に混同されている。
アジア大陸の原産で、林や山地の草原、荒地に多く自生し、道端や畑などにも生える。
草丈は0.2 - 1メートル (m) 内外で、葉とともに株全体に短毛が多くある。葉は長い柄があり、広く大きくて目立ち、丸っぽい卵状三角形で長さは6 - 15センチメートル (cm)、周囲は不揃いな粗いギザギザ(鋸歯)があり、先端は尖っている。茎はやや茶色みをおび、堅い。全体にざらざらしている。
花期は夏から秋にかけて(8 - 10月)、枝先に円錐花序を出し、黄緑色から黄色の頭状花を咲かせる。雌雄異花で、雄花は球状で枝の先の方につき、白みをおびたふさふさを束ねたような感じである。また雌花のほうは下部にあって、2本の突起がある緑色の壺状の総苞に囲まれて、先端にわずかに顔を出す。
花が終わると、かたまって楕円形の実をつける。この見かけ上の果実は、痩果を包んだ総苞で、これを果苞という。果苞は、長さ8 ...