スイレン属(スイレンぞく、睡蓮属、学名: Nymphaea, 英名: water lily)は、スイレン科の属の一つ。水生多年草。
日本にはヒツジグサ(未草)の1種類のみ自生する。白い花を午後、未の刻ごろに咲かせることからその名が付いたと言われる。ヒツジグサは日本全国の池・沼に広く分布しているほか、海外からの移入種や品種改良された観賞用の種を栽培・展示する施設もある(熱川バナナワニ園など)。睡蓮はヒツジグサの漢名であるが、一般にスイレン属の水生植物の総称として用いられる。
水位が安定している池などに生息し、地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべる。葉は円形から広楕円形で円の中心付近に葉柄が着き、その部分に深い切れ込みが入る。葉の表面に強い撥水性はない。多くの植物では気孔は葉の裏側にあるが、スイレンでは葉の表側に分布する。根茎から直接伸びる花柄の先端に直径5 - 10センチメートルほどの花をつける。
日本において一般的なスイレンは、いくつかの野生種を交配、品種改良し、作出された園芸種である。花の色、葉の色、模様などで様々な姿の品種が存在する。
ヒツジグサ(N. tetragona)- ...