ヤブコウジ(藪柑子、学名: Ardisia japonica)は、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。林内に生育し、冬に赤い果実をつけ美しいので、栽培もされる。別名、十両(ジュウリョウ)。
従来の新エングラー体系、クロンキスト体系では、ヤブコウジ科の種としていた。
日本の北海道南部(奥尻島)、本州、四国、九州に分布し、丘陵地林内の木陰にふつうに自生する。国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布する。
常緑の草状の小低木。細くて長い地下茎(匍匐茎)が横に這って、先は直立する地上茎になる。地上の茎は円柱形で、高さは10 - 30センチメートル (cm) になる。茎の上部と若い花序にはごく短い粒状の毛が生える。葉は茎の上部2 -3節に集まって3 - 4枚輪生し、深緑色で光沢があり、長楕円形または狭楕円形で、長さ6 - 13 cm、幅2 - 5 cmになり、5 - 8対の葉脈があり、先端はとがり基部はくさび形、縁には低く細かい鋸歯がある。葉柄は長さ7 - 13ミリメートル (mm) になる。
花期は夏(7 - 8月)。花序は散形状になり、葉腋または鱗片葉の腋につき、花序柄の長さは1 - 1.5 ...