オヒョウ(於瓢、学名:Ulmus laciniata)はニレ科ニレ属の落葉性の高木。日本列島から東北アジアの山地に分布する。日本の北海道に多い。
別名アツシノキ(厚司の木)、ヤジナ(矢科)、ネバリジナ(粘科)。
アイヌ語ではオヒョウの樹皮と繊維をアッ(at)、オヒョウの木をアッニ(atni)と呼ぶ。樺太の方言ではそれぞれアハ(ax)、アハニ(axni)という。また白浦地方では樹皮をオピウ(opiw)とも呼び、「オヒョウ」の名称はこれに由来する。
(オピウ opiw→ op-i-u→ iの後ろにuの重母音になるためuが子音化してwとなった。opは「尻のもの」の意で、 槍の穂先をすげる柄を指すがオㇷ゚の語は槍全体も指す。i: それ。 u: 両数。こちらとあちら。槍とその持ち手のこと。つまり、槍を受けた獲物がそのまま逃げないよう、槍の柄にはロープが取り付けられている。狩人はそのロープを手繰って獲物を捕らえる。そのロープの材料にオヒョウニレの内皮を使っていたところからの呼び名ではないかと推論される。)
高さ約25m。樹皮は縦に浅く裂け、剥がれ落ちる。樹皮の繊維は強靭。葉は広倒卵型で先端が3(〜9)裂し、縁には重鋸歯が見られる。両面に白い短毛がびっしり生え、ざらついた手触り。4-5月、新葉の出る前に、淡紅色の小花が束状に咲く。果実は長さ2cmほどの扁平な楕円形をした翼果で、6月頃、褐色に成熟する。 ...