マルバオモダカ(Caldesia parnassifolia)は、オモダカ科マルバオモダカ属に属する植物。湖沼やため池などに生息する抽水植物である。種小名のparnassifoliaは、ラテン語で「parnassi(パルナッス山)+folia(葉)」という意味であり、パルナッス山のように丸い葉を持ったオモダカ、を意味している。
日本や中国をはじめ、アジア大陸やヨーロッパ大陸、オーストラリアなどに分布する。ただし日本やヨーロッパでは個体数が減少しており、多くの地域で絶滅危惧種に指定されている。また、スイスなどでは既に絶滅している。
日本では、池沼や湿地の開発や水質の悪化に伴って個体数が減少しており、個体数は5000個体程度と推定されている。そのため、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されている。
湖沼の周縁や、比較的深い場所(水深1m弱程度まで)に生息している。深いところでは浮葉を中心に展開するが、浅いところでは抽水葉を多くつける。葉は通常腎臓型だが、初期浮葉は卵形になるものもある。8月から9月にかけて、長さ50cm-1mほどの花茎を水上に伸ばす。また、水中に伸ばした花茎の、本来花序が出来る部位に殖芽(栄養繁殖体)を形成し、無性生殖的にも繁殖する。これは一種のアポミクシスである。殖芽は茎から容易に外れ、種子同様水中に散布される。 ...