アメリカスズメノヒエ Paspalum notatum Fluegge は、イネ科の草本で、日本では帰化植物である。バヒアグラス (Bahia grass) の名で牧草として用いられることもある。
地表に張り付いて伸びる匍匐茎を伸ばし、穂は太くてY字に分かれる。日本では都市近郊の道路脇でよく見かける雑草であるが、牧草として広く栽培され、それによって世界に広がった。
世界的には牧草としてよく知られている。また、根圏に窒素固定細菌と共生関係を持つとの報告がある。
太い地下茎を持つ多年生の草本。一部を除いては、全体に無毛で、表面は滑らかで深緑を帯びる。地下茎は太くて木質で、先端は分枝して横に這って長く伸び、表面は枯れた葉鞘に包まれる。茎は高さ30-80cmになり、葉身は長さ10-30cm、幅は2-5mm、滑らかで厚みがあり、光沢がある。基部近くは左右から二つ折りになる。葉鞘は左右から扁平で、背面には明らかな竜骨があり、葉身と同じく無毛で光沢がある。色は普通は淡緑色で、基部近くのものは淡紅色を帯びる。葉舌は退化して細かな毛の列となる。これと葉身の基部の縁に数本の長い毛が出るのが、この植物の無毛でない部分である。 ...