イヌバラ (Rosa canina) はバラの一種。学名からロサ・カニーナとも呼ばれる。ヨーロッパ・北アフリカ・西アジアに自生する。
高さ1-5 mほどになる常緑低木だが、高木に絡み付いて樹冠まで伸びることもある。物によじ登るため、茎は細かく鋭い棘で覆われる。葉は羽状複葉で、5-7の小葉がある。花は直径4–6 cmで白からピンク色。花弁は5枚。秋に結実する。果実はローズヒップと呼ばれ、直径1.5–2 cmで橙赤色である。
バラの原種の一つ。接木の台木などに利用されることも多い。イギリスでは'Wild rose'といえば、この品種を指すのが一般的。夜間に匂いが強くなる性質がある。土壌安定・被覆植物などの目的で用いられることもある。
多くの栽培品種がある。Rosa canina 'Assisiensis'は棘のない品種である。果実にはビタミンCなどの抗酸化物質が多く含まれ、シロップ・ジャムなどに用いられる。詳細はローズヒップを参照。
本種はバラ属の中でもイヌバラ節 (Caninae) という節に属する。この節には北-中央ヨーロッパ産の20-30種が含まれ、”永久奇数倍数性” (permanent ...