ナガイモ(長芋、学名:Dioscorea polystachya)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草。または、その肥大した担根体の通称である。漢名の山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)とも呼ばれる。
長芋、つくね芋、いちょう芋などの品種群がある。山芋の名で扱われる事があるが、種としての「ヤマノイモ(自然薯)」と混同してはならない。
ヤマノイモ科の作物は熱帯から温帯と広範囲に分布し、特にヤマノイモ属は極めて種の数が多く、約600種にも及ぶ。その内の数十種類は食用作物として利用されている。
熱帯地域での栽培に適した品種が多いが、ナガイモは寒冷地での栽培も可能である。
ナガイモは、日本では中世以降に中国大陸から持ち込まれたとの説もあるが、中華人民共和国にもヤマノイモ科の作物は複数あるものの、本項と同種のナガイモは確認されていない。日本で現在流通しているナガイモは日本発祥である可能性もあり、現状は日本産ナガイモと呼んでいる。なお、中華人民共和国で栽培するヤマイモの品種は普通のヤマイモ、いわゆる「家ヤマイモ」と「和田イモ」の2種類が主である。産地は広東省と広西チワン族自治区が総生産量の約5割を占め、南方地方を中心に生産を行う。中国市場でのヤマイモ類への関心はあまり高くなく、一見では大和芋に似た外見の薯蕷品種を、店頭で「山葯(山薬)」と表示し販売する方法を取っている。 ...