セイヨウトウキ(西洋当帰 Angelica archangelica)はセリ科の二年草。別名、ガーデンアンゼリカ。
欧州各地、北欧・東欧・シベリアおよびグリーンランド等の湿原やアルザス地方などの山地に自生する。草丈1 - 2m。寒さに強いため、スカンジナビアでは貴重な野菜として利用される。葉は大きく羽状の切れ込みがある。初夏に黄緑の散形の花序をつける。生育は冷涼な場所を好む。栽培では、春播きで翌年、秋まきで翌々年に花をつける。または株分けによる増殖も適する。全草に甘味、ほろ苦味と強い芳香がある。
冷涼な場所を好むことから分かる様に、元はアルプス、ピレネー、ボヘミア等の寒冷地で自生していた植物である。現在のように欧州諸国に広まったのは、北欧からヴァイキングがもたらしたためである。
アンゼリカという名前および属名の由来はラテン語で天使を表す'Angelicus'であり、種小名archangelicaは「大天使の」という意味である。伝説として、疫病が流行したとき、一人の修道僧の夢の中に天使が現れ、この草に疫病を防ぐ力があることを伝えたといわれる。それが天使ミカエルであり、この草の花は、5月8日の聖ミカエルの日に咲くといわれている。そのためヨーロッパ諸国では「天使のハーブ」、「聖霊の宿る根」とも呼ばれている。その名の通りヨーロッパでは古くからこの芳香が悪魔を退け、病気を治すと信じられてきており、中世ヨーロッパでは「魔 ...