サワスズメノヒエ Paspalum vaginatum Swartz. は、イネ科植物の一つ。熱帯を中心に海岸に生える。近年は芝生として利用される。
匍匐性で、この属では小型種である。よく匍匐枝を伸ばし、短い花茎の上に穂が2本出てV字を描く点など、全体にキシュウスズメノヒエに似て、区別が難しい場合もある。
この種は耐塩性が高く、塩性湿地など様々な海岸に生え、沖縄では海岸植生の代表的なものの一つである。他方、近年はその性質を利用し、シーショアパスパルムの名で芝生として利用される。
匍匐性の多年生草本。水平に走る根茎と匍匐枝を持ち、大きな集団を作る。草丈は高さ50-80cmに達することもある。茎の基部は長く、横に伸びて節から根を出して匍匐する。葉身は長さ4-10cm、幅は2-4mmあるが、その縁が内側に巻いて幅2mm以下に見えることが多い。葉鞘の口部には長い毛があるが、それ以外には全体にほぼ無毛。
花期は7-8月。立ち上がった花茎の先端から2本、時に3本(希に5本まで)の総(小穂の並ぶ枝)を出す。総はV字状に斜めに立つが、後に大きく左右に広がり、また反対に曲がる。総の下面に小穂を2列につける。小穂は長卵形で先端が尖り、長さ3.5-4mmで緑色。第一包穎はなく、第二包穎は花軸側で、小穂と同大で無毛、第一小花は不稔でその護穎は外側にあって、平坦で5脈を持つが、中脈は弱い。稔性のある第二小花 ...