アブチロン属( - ぞく、学名:Abutilon)はアオイ科の属の一つ。和名はイチビ属。世界中の熱帯から亜熱帯に160種程度が分布し、特に南アメリカ大陸で多様である。
一年草、多年草または低木。属名はギリシア語の a(否定)bous(牝牛)tilos(下痢)に由来し、本属の植物が家畜の下痢止めになると考えられていたことによる。
ウキツリボクやショウジョウカ、またそれらを元に生み出された園芸品種が観賞用に栽培される。一部の園芸品種は葉が五裂し、それをカエデの葉に見立てた flowering maple の英名がある。インド原産のイチビやタカサゴイチビは繊維植物や採油用として栽培される一方、荒地や農地に帰化し難防除雑草として問題ともなっている。
A. indicum タカサゴイチビインド原産。原産地では繊維植物や種子からの採油用に栽培される。日本では奄美大島・喜界島以南に帰化。A. megapotamicum ウキツリボク(チロリアンランプ)ブラジル原産。赤い萼と黄色の花弁を持つ花を咲かせ、観賞用に栽培される。A. ochseniiチリ原産。イギリスに1957年に導入されたヨーロッパでは新しい部類の種。青紫色の花が咲く。A. ...