キイチゴ属(きいちごぞく、学名:Rubus L.は、バラ科の属の1つ。キイチゴ(木苺、懸鉤子、Bramble)と総称される。ラズベリー (Raspberry)、ブラックベリー (Blackberry) などの栽培種群に代表される、数十〜数百種(研究者により大きく違う)が属する。
ほとんどは小柄ながら木質化した茎を持つ低木で、一部に匍匐性のものや草本がある。茎や葉に棘を持つものも多い。
雌蘂は多数の心皮からなり、それぞれが独立した果汁を含んだ粒の形になる。したがって、果実はそのような粒の塊に見える。果実は食べられるものが多く、いわゆる野いちごは大部分がこの属のものである。
ラズベリー (Raspberry)、ブラックベリー (Blackberry) の2つが主な栽培系統である。
ラズベリーの原生種はヨーロッパと北米に分布し、ヨーロッパの種が栽培化され、のちに北米の種も栽培化された。寒冷地に適す。
ブラックベリーの原生種は西アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカと広い範囲に自生し、北米の数種が栽培化された。寒さに弱く、温暖な地に適す。
日本では古代から室町時代ごろまでは栽培されていたが、その系統は途絶えている。現在の日本で ...