クマイチゴ(熊苺、Rubus crataegifolius)はバラ科キイチゴ属に分類される落葉低木。
根は地下を横に這い、あちこちから地上に茎を伸ばす。茎は1-3mに達し、直立するか傾斜する。木質化するが太くは育たない。キイチゴ属の中では大型なほうである。茎は赤紫色で赤黒っぽい斑点があり、毛がなくて刺が多い。葉には長さ2-5cmの葉柄があり鉤形の刺をもつ。葉身は広卵形でややモミジ状に裂け、表面には伏毛があり、裏面の葉脈には刺がある。
花期は4月~6月、白い径1-1.5cmのノイバラ状の花で、短い枝先に数花が集まって咲く。果実は6月ごろに赤く熟し食用になる。
日本では、北海道、本州、四国、九州に、東アジアでは中国、朝鮮に分布。
山間部の林道沿いなど、森林があって、その中でやや荒れたところによく顔を出す。丈夫な茂みを形成するので、このヤブに入り込むと痛いめに遭う。
佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅰ』(1989)平凡社