アキノタムラソウ (Salvia japonica) は、野原に普通な多年草。細長い穂を伸ばして、薄紫色の花を付ける特徴がある。
草丈は20cmから80cmにもなる。茎は角張って四角形、まっすぐに立ち上がる。根元で分枝して、数本の束を作る事もある。葉は対生で、その形は単葉のものから複葉に分かれるもの、それも三出複葉から一-二回羽状複葉にまでなるが、とにかく変異が多い。葉の長さは葉柄を合わせて3-15cmと変異の幅が大きい。葉身はおおよそ卵形、深緑で表面はつやがなくて草質、まばらに毛がでることもあるが、無毛のこともある。縁には粗くて丸い鋸歯が出る。
花期は7月から11月にわたる。茎の先端が分枝し、長く伸びて穂状に花を着け、花序の長さは10-25cmにもなる。花は長さ10-13mm、青紫色で唇形、やや斜め上を向いて咲き、花冠の内側の基部近くに毛環がある。雄蘂は2本で、はじめ花冠の上唇に沿って上に伸びて前方に突き出すが、葯が開いてしまうと下向きに曲がる。
和名は秋の田村草だろうが、意味は不明とのこと。なお、タムラソウの名は、キク科にそれを標準和名に持つ種 Serratula coronata ...