マツ属(マツぞく、学名:Pinus)は、マツ科の属の一つ。マツ科のタイプ属である。日本に広く分布するアカマツ、クロマツは英語でそれぞれJapanese red pine、Japanese black pineと呼ばれる。
マツ属の天然分布は赤道直下のインドネシアから、北はロシアやカナダの北極圏に至り、ほぼ北半球に限られるといってよい。これは針葉樹としては最も広い範囲に当たる。温度の適性が広いことが一因として挙げられており、亜熱帯や熱帯に分布する種でも−10℃程度の低温・組織の凍結には堪えて生存するという。現在では植栽の結果南半球でも見られ、オーストラリアやニュージーランド、アフリカ諸国で大規模に植栽されているラジアータマツ (P. radiata) が特に有名。
化石の研究によれば、マツ属は比較的古い時代に登場したとされ、現生種の多様性は進化してきた年月の長さによるものとされている。
マツ属に含まれるものはいずれも木本であり、草本は含まれない。樹高は10 m未満のものから、大きいものでは40ないしは50 mに達する種もある。アメリカ合衆国西部に分布するサトウマツ (Pinus lambertiana) ...