ヨーロッパクロマツ(Pinus nigra)とは、マツ科マツ属の樹木である。
マツ科マツ属に属し、所謂「松」の一種。葉断面に維管束を2つ持つPinus亜属に属する。
種小名nigraは「黒い」の意味。仏名:Pin noir、独名Schwarzkieferも共に「黒いマツ」の意味。
常緑高木で雌雄同株である。高さ20-50mに達し、幹は直径0.4-2mになる。樹形は、クロマツに似て、幼木時は整円錐形で、老木になると広円錐形になる。幹は、通直であり、1788年にはフランス艦隊のマストにも用いられた。枝は輪生し、太くてよく分岐する。上枝は上向、中枝より下部は水平に出る。樹皮は、幼木時は、薄くて平滑であるが、老木では厚く、深裂し、鱗片となって剥脱する。幼枝は、黄緑あるいは黄褐色で、光沢がある。冬芽は円錐形であり、色は鮮灰色、長さ1.2-2.4cmである。
葉は2針、通直で、長さ8-15cmであり、暗緑色である。葉の各面には12-14条の気孔線がある。4-5年枝上に留まる。球果は、長卵形、卵円錐形であり、光沢がある。色は、黄褐色あるいは暗褐色で、長さは40-80mm、直径25-30 mmである。2年目に成熟、3年目に開裂する。種子は灰色または淡い黄色で、光沢はなく卵状長楕円形である。長さ5 ...