コルクガシ(学名:Quercus suber)は、ブナ科コナラ属の常緑高木である。
その樹皮はコルクとして様々な用途に使用される。
原産地はスペインを中心とする地中海沿岸地域である。スペイン、ポルトガル、アルジェリア、モロッコ、フランス、イタリア、チュニジアでコルクガシが栽培されており、その栽培面積は25,000km2にも及ぶ。世界全体のコルク生産量の約50%はポルトガルが占めている。
樹高は18mに、直径は1.5mに達し、幹の外側に厚いコルク層を形成する。樹齢20年に達したコルクガシのコルク層を剥ぎ取っても生育は阻害されず、再び厚いコルク層が再生される。樹齢約25年になったコルクガシから初めてコルク層が剥ぎ取られる。この時初めて剥ぎ取られたコルク層を“バージンコルク”と呼ぶ。2度目の収穫はその9年から12年後であり、その後150年から250年ほどに渡ってコルク層を収穫することができる。1本のコルクガシからは、その生涯に約12回の収穫が行われる。
コルク層の剥ぎ取りには、斧やこの用途専用に作られた梃子などが使われるが、樹皮とその下の維管束形成層などの生きた組織を傷めずに剥ぎ取るには技術が必要で、人が手作業で慎重に行うことが求められる。そのため、コルク層の収穫に機械を使用することはできない。 ...