ニガキ(苦木、学名 Picrasma quassioides)とは、ニガキ科ニガキ属の落葉高木の1種である。雌雄異株。東アジアの温帯から熱帯に分布する。全ての部分に強い苦味がある木で、名前の由来ともなっている。
樹高は6 mから8 mで、12 m以上になるものもある。葉は枝に互生し、奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で、長さ15 cmから25 cmになる。小葉は7枚から13枚が対生し、形は卵状長楕円形で、先端は尖り、基部は鋭形。小葉の長さ3 cmから7 cm、幅1 cmから3 cmで、縁は鋭鋸歯になる。
花期は4月か5月。葉腋から花序軸を出し、集散花序の小さい黄緑色の花を多数つける。雄花序には30個から50個、雌花序には7個から10数個の花がつく。花弁は4枚か5枚で、長さは、雄花が約2 mm、雌花が約3 mmになる。果実は2個か3個の分果となり、緑黒色に熟す。
樹皮はなめらかで暗褐色、材からこの樹皮を取り除いて乾燥させたものは、生薬の苦木(にがき、くぼく)として知られ、薬用のほか殺虫剤の材料としても用いられる。
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地の林内に生育する。日本以外では、朝鮮、中国、ヒマラヤに分布する。 ...