フウトウカズラ(風藤葛、学名:Piper kadsura (Choisy) Ohwi)は、コショウ科コショウ属に分類される常緑性の木本の蔓植物の1種。日本では暖地に生える。赤くなる実をつける。
フウトウカズラはよく海岸近くの森林に出現する蔓植物で、日本の暖地では普通に見られる。葉や果実がコショウ(P. nigrum)に似ており、コショウそのものと間違えられたこともあるが、辛みがなく、実用にはならない。植物体には香りがあり、薬用として用いられる例もある。
和名はかつて風藤と間違えたことに依ると、牧野は記している。別にツルゴショウの名もある。なお、この植物は木本ではあるが草本的でもあり、下記参考文献に見るように草本の図鑑にも樹木の図鑑にも掲載されている例がある。
常緑性で蔓性の木本。全体に香りがある。枝は緑色で、節があってそこから根を下ろす。樹木や岩に這い上がり、枝先は基盤を離れて往々にして垂れる。
葉は互生。はっきりした葉柄があり(長さ1-4cm)、葉身は卵形かやや狭い形で長さ5-8cm。縁は全縁(鋸歯がない)で、先端は鋭尖頭で、細長く突き出す。ただし若いものではより丸い葉になることもある。葉身は暗緑色で、厚手でつやがない。裏面には細かい毛があるが、古い葉ではなくなる。羽状に走る葉脈はやや掌状に近く、特に5本が顕著で、表面は脈沿いにややくぼむ。 ...