ナツメヤシ属(ナツメヤシぞく、Phoenix L.)はヤシ科の植物の1属。羽状複葉の葉をつけ、小葉はV字に二つ折れになっていて先は尖っている。またその小葉のうちで基部のものは鋭い棘になっている。外見的にはややソテツに似た姿のヤシである。食用や観賞用に重要でよく栽培されるものを含む。
ほぼ直立する茎は枝分かれをしないが、根元で芽を出して株立ちになるものもある。大きいものは例えばナツメヤシは高さ25-30m、幹の直径が50-80cmにもなるが、ヒメナツメヤシモドキでは普通は高さ30cm、大きくても1mを超える程度である。葉柄は比較的短くて、光沢のある緑色をしている。葉が枯れると葉柄基部は繊維網と共に茎に残り、その後に次第に脱落して幹表面にその跡が波状紋や突起として残る例が多い。葉身は単羽状複葉で、小葉は個々に分かれて出る。また小葉のうちで基部に近いものは変形して硬く鋭い針状になる。小葉は中央で二つ折りになっており、断面はV字型をしている。また小葉の幅は狭く、先端はとがっている。
雌雄異株で、雄花と雌花は別の株に付く。肉穂花序は葉の間から出る。花柄に付く苞は基部の1個のみが大きく発達して目立ち、へら型で先端が尖っているが、これは早期に脱落する。花序の枝はすべてが直接に軸に付いているようになっていて、全体ではホウキ状をなす。より詳細には花茎は無毛で木質化し、所々に花梗が数本から10本ほど横列をなして出ており、そこから真っ直ぐに伸びるが細かい波を描く形の分枝が多数出る。花は黄色っぽ ...